「求人媒体に載せているのに、応募が来ない」
「採用ページをきれいにリニューアルしたのに、何も変わらない」
もし今、こんな悩みを抱えているなら、少しだけお伝えしたいことがあります。
それは、採用ページは「原因」ではなく「結果」かもしれない、ということです。
応募が来ないと、「ページのデザインが悪いのかもしれない」「写真がもっと必要かもしれない」と考えがちです。もちろんそれも大切な要素です。でも、それは家で例えるなら「壁紙の色」のようなものです。応募が伸び悩む理由は、案外、壁紙ではなく土台にあることが多いのです。
この記事では、採用ページを作る前に、まずやっておきたいたった1つのことについて、できるだけシンプルにお伝えします。
なぜ「良いページ」を作っても応募が来ないのか
想像してみてください。
まったく知らない人から、いきなり「私と結婚してください」と言われたとします。
その人がどんなに整った身なりをしていても、「なぜ私なのか」「あなたはどんな人なのか」がわからなければ、返事のしようがありませんよね。
採用も、これと少し似た構造をしています。
求職者、特に今の若い世代は、会社を「条件」だけで選んでいるわけではありません。給料や休日はもちろん大事な条件ですが、それ以上によく見られているのは、
- この会社は、何を大切にしているのか
- この会社で働いたら、自分はどうなれそうか
- この会社は、他の会社と何が違うのか
といった「その会社らしさ」です。
ここがまだ言葉になっていない状態で採用ページを作ると、どんなに見た目を整えても、中身は「よくある会社」の説明にとどまりやすくなります。求職者から見れば、似たような会社の一つに埋もれてしまうのです。
つまり、採用ページを作る前にやっておきたいたった1つのこととは——
「自社の強みと、それを裏返した弱みを、正直に言葉にすること」
です。
強みだけでなく、弱みも一緒に伝えるという考え方
多くの会社は、採用ページに「強み」だけを並べようとします。「風通しの良い職場」「若手がすぐ活躍できる」「アットホームな雰囲気」——こうした言葉、どこかで見たことがあるかもしれません。
実はこれが、応募が伸び悩む理由の一つになっていることがあります。強みだけを並べた文章は、読み手からすると、どうしても「建前」に見えてしまいやすいからです。
今の若い世代は、SNSやクチコミサイトで実際の情報にたどり着きやすい環境にいます。だからこそ、きれいごとだけの発信には、以前より少し敏感になっているのかもしれません。「本当かな」「盛っているんじゃないかな」と、無意識のうちに疑いながら読んでいることもあります。
ここで一つ、試してみる価値があるのが、弱みも一緒に見せるという伝え方です。
たとえば、こんな伝え方です。
「うちの会社は、大手のように福利厚生が充実しているわけではありません。でも、新人でも1年目からお客様の前に立てる裁量があります。守られながらゆっくり育つより、早く挑戦したい人に向いている会社です。」
これは、弱み(福利厚生が手薄)を隠さず伝えたうえで、それが強み(裁量の大きさ)と表裏一体であることを説明しています。
弱みを正直に見せることには、こんな効果が期待できます。
- 信頼感につながる — 都合の悪いことも話す会社は、誠実に見えやすい
- ミスマッチが減る — 入社後に「聞いていた話と違う」というギャップが起きにくくなり、早期離職の防止にもつながる
- 強みがより伝わりやすくなる — 弱みとセットで語られることで、強みに説得力が生まれる
強みだけを伝える会社より、弱みも正直に話しながら強みを語る会社のほうが、結果として「信頼できる会社」に見えることがあります。
何を、どんな順番でやればいいのか
ここまでの話を、実際の行動に落とし込むと、次の4つのステップになります。
ステップ1:自社の「強み」を言葉にする
まずは、自社が他社と比べて何が違うのかを洗い出してみます。ポイントは、社長一人で考えないことです。社長が「強み」だと思っていることと、実際に働いている社員が感じている「良さ」は、しばしばズレていることがあります。
例:「不良品率が業界平均よりかなり低い」「お客様とのやり取りを、入社1年目から現場の担当者に任せている」など、具体的なエピソードや数字を洗い出してみる。
ステップ2:自社の「弱み」も言葉にする
次に、正直に「うちに向いていない人」「うちにない環境」を書き出してみます。これは会社を悪く見せるためではなく、「合う人にちゃんと届くようにする」ための作業です。
例:「繁忙期は土日出勤が発生することがある」「配属先を本人が選べないことがある」など、伝えづらいけれど本当のことを書き出してみる。
ステップ3:強みと弱みを、一言でまとめる
ステップ1と2で出てきた言葉を、「うちは、こういう人に向いている会社です」という一文にまとめてみます。ここは少し時間がかかる工程かもしれませんが、大切な工程です。
例:「安定してゆっくり育つより、早いうちから挑戦したい人に向いている会社です」というような一文。
ステップ4:初めて、採用ページやコンテンツに落とし込む
ステップ3で作った一言をベースに、初めて採用ページのデザインや文章、写真の方向性を決めていきます。
例:「入社1年目の社員インタビューを載せる」「実際の1日のスケジュールを写真付きで紹介する」など、一文で決めた方向性を具体的なコンテンツに変換していく。
土台ができていると、ここから先の作業は少しスムーズになります。
今日からできる、小さな一歩
いきなり全部をやろうとすると、手が止まってしまうこともあります。まずは、次の1つだけ試してみてはいかがでしょうか。
社員3人に「うちの会社の、正直好きなところと、正直しんどいところ」を、それぞれ1つずつ聞いてみる。
これだけでも、社長一人では気づけなかった「自社らしさ」のヒントが見つかることがあります。
一人で言語化するのが難しいときは
ここまで読んで、「言われていることはわかるけれど、実際に自分の会社の言葉にするのは難しそうだ」と感じた方もいるかもしれません。それは自然なことです。自社のことは、近すぎてかえって見えにくいものだからです。
私たち、株式会社米善のIT事業部では、こうした「自社の強みと弱みの言語化」から一緒に取り組み、採用や発信の土台づくりを伴走しながらお手伝いしています。一人で抱え込まず、一緒に整理していくことで、少し早く、少し納得感のある形にたどり着けるかもしれません。
本記事は、株式会社米善のIT事業部がお届けしました。

