いまや企業・店舗の顔ともいえる「ホームページ」。でも、「自分で更新するのは難しそう…」「制作会社に頼むにも費用が気になる…」と思ったことはありませんか?
そんな悩みを解決してくれるのが、CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)という仕組みです。本記事では、CMSの基本から、種類ごとの特徴、制作会社がCMSを使う理由まで、幅広くわかりやすくご紹介します。
CMSとは?
CMS(Content Management System)は、ホームページの作成・更新・管理を、専門知識がなくてもできるようにしてくれる便利な仕組みです。
通常、ホームページは「HTML」「CSS」「JavaScript」などのプログラミング言語を使って作ります。しかしCMSを使えば、文章の入力や画像のアップロード、ボタンのクリックなど、普段のパソコン操作に近い感覚でページを作ることができるのです。
例えるなら、CMSはホームページをつくる”レゴブロック”のようなものです。
日本でよく使われるCMSの種類と特徴
CMSにはいろいろな種類があり、それぞれに得意分野や特徴があります。ここでは、国内でも特に利用されている代表的なCMSをご紹介します。
WordPress(ワードプレス)
概要
世界で最も利用されているオープンソース型CMS。拡張性が非常に高く、企業から個人ブログまで幅広く対応。
利用者数
世界全体のCMSシェアの約60%以上(※1)を占める圧倒的な人気。
(※1)W3Techs調べ
特徴
- デザインテンプレート(テーマ)や拡張機能(プラグイン)で自由にカスタマイズ可能
- SEO対策やブログ機能も強力
- メンテナンスにはやや知識が必要
Wix Studio(ウィックスタジオ)
概要
直感的な操作でデザイン性の高いサイトが作れるクラウド型CMS。
利用者数
Wix全体の利用者は世界で2億5千万人以上(※2)。
(※2)Wix公式サイトより
特徴
- ドラッグ&ドロップ操作で誰でも使いやすい
- AIアシスタントがサイト構築をサポート
- 高度なデザインも可能
- バージョン管理やサーバー運用は自動
Jimdo(ジンドゥー)
概要
日本でも多くのスモールビジネスに支持されているCMS。とにかく「かんたん」が売り。
利用者数
ジンドゥーで制作されたホームページは世界で3200万、国内では200万(※3)。
(※3)ジンドゥー AI ビルダー「1ヶ月契約」を提供開始、特設サイトやスモールスタートのビジネス活用に(2022.06.09)株式会社 KDDI ウェブコミュニケーションズ公式サイトより。
特徴
- シンプルな操作性
- AIアシスタントがサイト構築をサポート
- カスタマイズ性はやや限定的
- バージョン管理やサーバー運用は自動
Studio(スタジオ)
概要
デザイン重視のCMSで、アニメーションや動きあるページも簡単に作成可能。
利用者数
Studioで制作されたホームページは10万件以上(※4)
(※4)Studio公式サイトより
特徴
- Webデザインに特化した洗練されたUI
- コーディング不要で高品質なサイトが実現
- カスタマイズ性はやや限定的
- バージョン管理やサーバー運用は自動
Note(ノート)
概要
個人的にはCMSの枠組みに加えたい「書くこと」に特化したサービス。ブログや読み物型コンテンツに最適。感度の高いnote読者へ自社の魅力などを発信し、採用活動する方法もありだと思っています。
利用者数
会員登録者数は2025年2月末時点で938万人(※5)
(※5)note公式より(数字でわかるnoteの現在地。この1年の主なトピックスをご紹介します! #note11周年)
特徴
- 執筆と発信に集中できる構成
- 継続したいと思わせる仕掛け満載(バッチ機能など)
- SNS的なつながりで読者と交流が生まれる
- バージョン管理やサーバー運用は自動
なぜ、制作会社もCMSを使うのか?
私たちをはじめとする制作会社の多くも、CMSを活用しています。その理由は、制作の効率化と、お客さまとの運用のしやすさにあります。
プログラムで一からホームページを作るよりも、CMSを使ったほうが圧倒的にスピーディ。浮いた時間を「誰に、何を、どう伝えるか?」という本質的な設計や、納品後の活用提案に回すことができるからです。
制作会社のCMSを選ぶ基準
CMS選定は、見た目や流行だけでなく、以下のような観点から選びます。
- UI(画面のデザイン、ボタン配置、操作方法など)のわかりやすさ
- セキュリティ体制
- 想定アクセス数(スケーラビリティ)
- サポートの充実度やレスポンスの速さ
- カスタマイズ性と将来の拡張性
- 要求仕様の実現性
- 予算、納期のバランス
- 運用方法(お客さまが更新するか、弊社が管理するか)
CMSは、ホームページという構造物を支える「基礎」のような存在。だから、見えない部分は、製作会社の知識・経験・目利きがものをいう領域だったりします。
CMSのメリット・デメリット
制作会社、お客様両方の視点からざっくりメリット(デメリット)をまとめるとつぎのような形です。
メリット
- プログラム不要で作れる:ワードやパワポ感覚で操作可能
- 自分で更新できる:今日のおすすめや新着情報も気軽に投稿
- デザインテンプレートが豊富:プロ仕様の外観を簡単に実現
- ページや記事の整理がしやすい:管理画面で一元管理可能
デメリット
- 最初は操作に慣れが必要
- テンプレート以上の自由度には限界がある
- 人気CMSはハッカーの標的にもなりやすい(セキュリティ対策必須)
- サービス内容や機能変更が発生する(大体はポジティブ要素)
CMSの提供形態は2種類ある
CMSの提供形態は、大きく分けて2パターンあります。これは維持コストや自由度にも関わってくる指標となります。
【パターンA】CMS会社が運用・保守するクラウド型CMS
(Wix Studio、Jimdo、Studio、Note)
- バージョンアップやサーバー保守はCMS会社が自動で実施
- セキュリティの安全面もCMS会社が実施してくれるから安心
- カスタマイズにはそれぞれに制限あり
- 月額費用は発生するが、無料プランで試せるのでじっくり検討できる
【パターンB】制作会社が運用・保守するオープンソース型(*)CMS
(例:WordPress)
(*)オープンソース型とは、ソフトウェアのソースコードを公開し、誰でも自由に利用、改変、再配布できるソフトウェア開発のモデル。
- オープンソースのため、高度な自由設計が可能(完全オリジナルにも対応)
- デザインテンプレート(テーマ)、拡張機能(プラグイン)が豊富で、要望にも柔軟に応えられる
- バージョンアップやサーバー保守は製作会社(もしくは自社)で行う必要あり
- セキュリティの安全面も製作会社(もしくは自社)で行う必要あり
【補足1】パターンBを自社で運用する場合、ある程度のITスキルと管理体制が求められます。「更新通知がきたら自分で対処できる人」が社内にいる場合のみ、おすすめ。
【補足2】オープンソースだからこそ、世界のCMSシェア60%超となっている反面、オープンソース故にプログラムの脆弱性(穴)も見えてしまうため、ホームページ改ざんの温床となっている。
まとめ
CMSは、ホームページを「難しいもの」から「身近なもの」へと変えてくれる強力な味方です。お客さまご自身が更新できるという自由度は、情報発信力にも直結します。
一方で、CMS選びには適切な知識と経験も必要。だからこそ、私たちのような制作会社が、目的や体制に応じて最適なCMSをご提案し、サポートしています。
あなたに合ったCMSを、一緒に見つけませんか?
ホームページの運用方法や、更新の頻度、デザインへのこだわりによって、ベストなCMSは変わります。
「どれを選べばいいかわからない…」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
あなたにピッタリのCMSと、その活かし方をご提案します。